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「演奏会批評」

ムジカノーヴァ6月号
演奏会批評より

モスクワ音楽院の大学院博士課程ピアノ演奏科修了の一世によるオールショパンプロ。(中略)前半のデュオプログラムは遺作の≪ノクターン 嬰ハ短調≫と≪ノクターン第2番≫作品9−2が2台ピアノで弾かれる。遺作では、おたがいに独特のショパンの歌を静かにゆったりと聴かせ2人の息遣いもぴったり。第2番では叙情的な旋律を充分に表出し感情表現と旋律の受け渡しもみごとだった。一世の編曲も効果充分。次は≪ピアノ協奏曲第1番≫作品11。第1楽章では2つの主題を表情豊かに表出。オケパートとの相性もバランスよく音楽を進める。叙情感と哀愁感の表現もみごと。第2楽章からも、とろけるようなショパンの歌を聴かせ、オケパートの第2ピアノもみごとな表情で役割を果たしていた。第3楽章でも一世は華やかな特色を展開し華麗なピアニズムを充分に表出。ここでも2人のバランスはよく、オケを彷彿とさせる第2ピアノもみごと。2台ピアノにしては迫力ある協奏曲であった。後半は一世の独奏。≪舟歌≫作品60、大きな主題の中に濃厚な雰囲気を伝え作品の特質を表現する。≪ポロネーズ第6番≫作品53はポロネーズ特有のリズムがよく研究されており、下行する動きも印象的で迫力充分。≪アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ≫作品22、前半のむせぶようなカンタービレと宝石の如きパッセージの表出も美しく、後半のポロネーズの2つの主題の表情の中に華麗な世界をみせ、ショパンの音楽をたっぷりと聴かせ超満員の聴衆を喜ばせた。(3月7日、東京オペラシティリサイタルホール)

家永 勝

 

 

 

 

 

 



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